遺伝子医療革命

遺伝子医療革命という本を読んだ。
著者が有名な研究者だけあってしっかりとまとまっていて有益な内容だった。



本書を読んで、2点のなるほどと新しい視点が得られた。

    • ・疾患の発症リスクなどを知る一番の情報は家族の病歴情報である
    • ・遺伝子情報は予防医学にも有益である

疾患の発症リスクなどを知る一番の情報は家族の病歴情報である

普段、疾患に関連する遺伝子や変異を特定するために必要なデータを作成するという業務を行っていることもあり、疾患の発症リスクを知るためには遺伝子検査が有用だという意識は持っていた。

しかし、より有用なのは家族・親族の病歴情報であるという記述を読んでなるほどなぁと感心してしまった。

家族や親族は当然自分と同じようなGenotypeを持っている可能性が高いのだから同じような疾患にかかるリスクも似通った値になることはすんなりと理解できた。

自分も家族に糖尿病の人間がいるので他人事ではない。一度、近しい親族について病歴の調査をしてみようかと思う。
ただ、これらの情報をまとめるサイトなどが簡単には見つからなかった。
せっかく、調査に協力してくれた人には調査内容を共有したいと思ったりもするので自分で使いやすいサービスでも作ってみようか?なんて考えたり。

遺伝子情報は予防医学にも有益である

遺伝子情報の医学への利用というと、遺伝子検査を実施して疾患をどのように治療するのが最適化やどの薬が一番有効で副作用が少ないかといった、すでに疾患などの問題が発生してしまった後にどうするかという点ばかり考えていた。
しかし、本書ではあらかじめ疾患のリスクなどを知ることにより多くの人々がそのリスクに応じて生活を改善し、疾患にならないように努力しているという記述がある。
たしかに、自分も糖尿病や心臓疾患などになるリスクが高いとわかったら運動や食事制限など今より真剣に実行するようになるかなと考えてしまった。

まとめ

上記のように遺伝子情報をどのように医療に実用するかといった内容や個別化医療、がんの遺伝子情報に基づく分類など、広範な医療分野について現在までの研究の進捗内容と少し先の展望がわかりやすく書かれています。

本書を読むと遺伝子情報を利用して医療が一歩進化する日も意外と近いのかもと考えてしまいます。その進歩した医療をより良く利用するための基本的な情報が得られる一冊ではないかと思いますので興味のある方はぜひご覧ください。